猫のボディー・ランゲージ
犬は体全体で喜びを表現し、歯茎を剥き出しにして怒りを表現します。また悲しい声を出してシッポを丸め込み恐怖を表現します。あるいは耳を立てて周囲を警戒したり、お腹を見せて服従や降参を表現します。このように犬の感情の表現方法は多岐に渡り、気持ちを理解するためのツールとして有用です。

では、猫は感情をどのように表現しているでしょうか。今回は、猫のボディー・ランゲージについてご紹介します。皆さんも愛猫を見ながら一緒に考えてみませんか? 猫のボディー・ランゲージ
猫の体で最も感情を豊かに表現する部位は?
猫の体で最も感情を豊かに表現する部位は?
猫のボディー・ランゲージを知っていると、猫がどのように感じているかを理解することができ、また行動を予測することができます。特に猫の尻尾は 「心の指標」として機能し、尻尾の位置と動きは猫の精神状態を洞察するのに役立ちます。

基本的に尻尾がピクピクと動いている猫は怒っていると勘違いされやすいですが、実は反対で興奮あるいは好奇心を示しています。毛が逆立っていない限り、垂直に立った尻尾は好意的な状態であることを表しています。猫が示す最も大きな愛情のジェスチャーかもしれません。例えばあなたが一日留守にして帰宅した時、「早く御飯をちょうだい。」と興奮している猫は尻尾を真っ直ぐに立てピクピクと動かすかもしれません。そして決まって「ニャオ」と訴えるかあなたの足にまとわりつくでしょう。
猫の心理を解釈する方法
注)100%正解ではありませんが、ある程度の目安になるでしょう。
* 尻尾が緩やかに下向きで、先端が曲がっている:リラッククスして快適と
感じています。
* 尻尾がわずかに上がって、軽く曲がっている:何かに興味を持ち始めています。 * 尻尾が直立しているが、先端が傾いている:非常に関心があって、
好意的であると感じています。
* 尻尾が完全に直立していて、さらに先端も垂直である: 好意的で、喜んで
挨拶しています。
* 尻尾が直立しており、先端がゆるやかにピクピクしている:愛情、興奮、
好奇心などを示します。
* 尻尾はじっとしているが、先端が時々ピクッと動かす:少しイライラして
いるか、思案に暮れている。
* 尻尾はじっとしているが、先端が激しくピクピクとして動かす:
非常にいらいらしています。
* 尻尾が広い円弧を描き勢いよく振っている:高まった感情あるいは攻撃性を示
します。
* 尻尾が直立しており、毛が完全に逆立っている:攻撃性を示しています。
* 尻尾がアーチ形に曲げられて、毛も逆立っている:攻撃するかもしれません。
* 尻尾が完全に下ろされて、後足の間にしまっている:敗北か服従を示しています。
* 尻尾が垂直で一方に曲がっており、猫がしゃがんでいる:仲間になる準備が
できています。
* 尻尾が半分位の位置で端から端までゆっくり動かす:軽度の関心を示します。
* 尻尾が低く先端がピクっと動く:ストーキングを示します。
(注)ストーキングとは雄猫が雌猫を追い続けたり、ネズミなどの獲物をハンティングする狩猟行為を指します。
マンクスやジャパニーズ ボブテールのように短尾の猫は、これらの微妙な尻尾の動きから猫の感情を汲み取ることは難しいかもしれませんが、短尾猫自身は動かしている“つもり”だと考えてもいいかもしれません。
猫は尻尾以外でどのように感情を表現するのか?
猫は尻尾以外でどのように感情を表現するのか?
猫のボディー・ランゲージは尻尾だけでなく耳の動き、瞳孔の大きさ、まぶたの動きなどが複雑に関係します。
猫の耳の動きは尻尾の動きと関連付けて評価するとより詳しく猫の心理状態を把握できるかもしれません。人間より優れた聴覚を利用して微妙な音源に対しても耳を立てて敏感に反応し、怒りや闘争心を剥き出しにしている場合は耳を伏せます。
背中をアーチ形に曲げたり、毛を逆立てる時は防御的威嚇を表現しており、恐怖を感じ攻撃性を示しています。光の下でも瞳孔が大きく開いているならば、緑内障や甲状腺機能亢進症などの基礎疾患がなければ、痛みがあるか闘う準備ができているか、あるいは逃走を計画しているかが考えられます。
またゆっくりまばたきをする時はリラックスの合図かもしれません。まぶたが定期的に閉まるならば、それはあなたに対する信頼または信用の表れです。例え猫が眠たくて睡魔と闘っているからそうしているのであったとしても、飼い主さんの前で居眠りができるほど信頼しているということです。

まとめ
猫のボディー・ランゲージを知ることは、有効なコミュニケーションツールとなるでしょう。うちの子と「心の会話」が出来、これまで以上に猫との生活を楽しめるかもしれません。
また、言葉に代わる情報伝達手段として感情表現方法を理解することにより、病気の早期発見や微妙な心理的変化の判断の一助となれば幸いです。